手軽に毎日のルーティーンに取り入れることのできるストレス解消法、健康促進法としてラジオ体操をお勧めします。
日本人なら多くの人がやったことのあるラジオ体操。
たった3分の体操ですが、実はすごい効果があるのです。
ラジオ体操はしっかりと行うことで、心と体の健康に役立つさまざまな効果が期待できます。
そもそもラジオ体操は、国民の体力向上と健康の維持や増進を目的として、1928年から放送が開始されました。
ラジオ体操は第一・第二・第三の3つがあります。
ラジオ体操という名称は、文字通り、1928年にNHKラジオで放送されたことで呼ばれるようになりました。
ラジオ体操は、そのシンプルで効果的な動きにより、年代や体力に関係なく誰でも取り組めることが特長です。
ラジオ体操は、基本的な動きが組み合わさっており、特別な器具や場所を必要としません。
体操は通常、体を伸ばすストレッチから始まり、次に全身の筋肉を使った運動が続きます。
具体的には、腕を大きく振りながら体をねじる動き、脚を開いて腰を落とすスクワット、深呼吸しながら体を伸ばす運動などが含まれています。
これにより、体全体を無理なく動かすことができ、効果的なエクササイズとなります。
ラジオ体操に期待できる効果
- 適度な全身運動になる
- 柔軟性と筋力の向上
- 体型の維持
- 血管を若々しく保つ
- 呼吸機能を保つ
- 骨粗鬆症の予防
- 心身状態を良好に保つ
- 集団で運動する楽しさを味わえる
これらのすばらしい効果について、次からくわしく解説していきます。
適度な全身運動になる
ラジオ体操の魅力の一つは、全身の筋肉をバランスよく動かす点にあります。
体操の各動きは、上半身から下半身まで幅広い筋肉を使い、全身の血流を促進します。
例えば、腕を振りながらの体操では肩や腕の筋肉を使い、脚を広げる動きでは脚の筋肉を鍛えることができます。
このように、全身を一度に動かすことで、短時間で効果的に運動することが可能です。
柔軟性と筋力の向上
ラジオ体操は、筋力の強化だけでなく、柔軟性の向上にも役立ちます。
体操の中には、ストレッチ効果のある動きが含まれており、これにより関節や筋肉の柔軟性が高まります。
例えば、腕を上に伸ばす動きや、体をひねる動きは、筋肉や関節の柔軟性を養うのに効果的です。
定期的に行うことで、体全体の可動域が広がり、日常生活での動作が楽になります。
体型の維持
一つ目は、体型の維持です。
ラジオ体操を継続して行なっている人は、上腕周囲長・上腕三頭筋皮下脂肪厚・下腿周囲長が、「日本人の新身体計測基準値(Japanese anthropometric reference data)」という指標の基準値よりも、ほぼすべての年齢階級で上回った、と報告されています。
これは分かりやすくいうと、二の腕の太さや脂肪、太ももの太さが細かったということ。
これらは肥満度をあらわす「BMI」や体脂肪率との関連性が高く、基準値よりも高いということは、同年代の人よりも体型維持されていると考えられます。
- 継続的な運動としてカロリー消費が期待できる
1回のラジオ体操(第一、第二)で消費するカロリーは約20〜30kcal。毎日続けることで基礎代謝が向上し、体脂肪の燃焼に繋がります。 - 継続することで体型維持が可能
短時間でできるため、無理なく続けられ、毎日の運動習慣としておすすめです。
血管を若々しく保つ
二つ目は、血管を若々しく保つ効果です。
ラジオ体操を継続して行なっている人は、調査によると実年齢よりも血管年齢が若いと推測されています。
年齢と共に血管も老化します。ラジオ体操で若々しく保つことができる可能性があります。
呼吸機能を保つ
三つ目は、呼吸機能を保つ効果です。
男女ともに69歳以下と70歳前半のラジオ体操を継続している人は、予想される呼吸機能よりも高い機能が維持されていました。
呼吸機能の低下は、加齢にともない呼吸するための筋肉が衰えたり、姿勢が崩れて胸が動きにくくなったりすることが要因です。
ラジオ体操は筋肉や姿勢、体の柔軟性などに良い影響を与えることから、呼吸機能を保つ効果が期待できます。
骨粗鬆症の予防
四つ目は、骨粗鬆症の予防です。
骨粗鬆症は骨密度が低下して、骨が折れやすい状態になる病気です。
なぜラジオ体操で骨粗鬆症の予防になるかというと、飛び跳ねる運動によって骨に刺激が加わることで骨密度を高められるからです。
骨は運動で適度な刺激が与えられると、骨密度が高くなる性質を持っています。
そのため、ラジオ体操を習慣にしている人は、骨粗鬆症の予防効果が期待できるというわけです。
心身状態を良好に保つ
五つ目は、心身状態を良好に保つ効果です。
ラジオ体操は、健康維持に役立つだけでなく、さまざまな面で生活の質を向上させることができます。
健康に関する質を評価するスコアで、ラジオ体操を継続している人は、「身体機能」「活力」「日常役割機能(精神)」の項目で国民基準を大きく上回ったと報告されています。
ラジオ体操で健康状態を良好に保っていると、日常生活を大きな支障なく過ごせるでしょう。その結果、心も体も良好な状態になっていると考えられます。
ラジオ体操はメンタルにも良いメリットがたくさん!
ラジオ体操は、身体の緊張をほぐし、リラックス効果をもたらします。運動中に体内でエンドルフィンが分泌されることで、気分が良くなり、ストレスが軽減されるのです。
特に規則正しくラジオ体操を行うことで、日常のストレスを効果的に解消できます。また、体操を行うことで体が活性化し、精神的な疲労感が和らげられるのです。運動後のすっきりとした感覚は、心のリフレッシュにもつながります。
ラジオ体操は心身をリフレッシュする効果もあります。
- 気持ちをリセットする効果も期待できる
リズミカルな音楽に合わせて身体を動かすことで、気分転換ができ、心の緊張をほぐす効果が期待できます。特に、朝や昼の隙間時間に行うことで、気持ちがリセットされ、生産性も向上するでしょう。 - 朝に行うメリットとリズムを整える効果
朝のルーティンに取り入れることで、体内時計がリセットされ、生活リズムが整います。また、1日の始まりに血流を促進し、身体を目覚めさせる効果があります。
集団で運動する楽しさを味わえる
ラジオ体操は、集団で行うことも多く、その場合、社会的なつながりや仲間との協調感を感じることができます。
このような集団での運動は、孤独感の軽減やコミュニケーションの促進にも寄与します。
みんなで一緒に体操をすることで、共通の目標に向かって協力する楽しさや達成感を感じることができ、心理的な満足感を得られます。
ラジオ体操は、デスクワークや家事の合間に数分間で行うことができるのが大きなメリットです。
簡単でありながら、運動不足の解消に効果的で、続けやすい運動習慣として最適です。
ラジオ体操の効果を高めるポイント
このようにラジオ体操にはさまざまな効果が期待できます。
より効果を高めるには、ただなんとなく行うのではなく、ポイントをおさえて行うことが大切です。
次からは、ラジオ体操の効果を高めるポイントを紹介します。
実践するときに少し気をつけて行ってみましょう。
全身を大きく動かす
ラジオ体操を行うときには、全身を大きく動かすことを意識しましょう。
動きが小さいと筋肉の伸びが足りなかったり、負荷が不十分になったりします。
体をできるだけ大きく動かし、全身の筋肉が伸びるように行ってください。
1つずつの動きを確実に
ラジオ体操は、1つずつの動きを確実にしっかりと行いましょう。
ラジオ体操第一は、13種類の運動から構成されています。
それぞれの運動ごとに、使う筋肉や関節が異なるため、1つずつ動きを確実に行うことで、ラジオ体操の効果をより高めることができます。
手足をしっかり伸ばすことや動きにメリハリをつけることを意識して、丁寧に行いましょう。
動作をひとつひとつ丁寧に、筋肉を意識しながら行うことで、全身に負荷がかかり、運動効果が高まります。
ゆっくり行うことで、関節への負担を軽減し、怪我のリスクも抑えられるでしょう。
毎日継続する

習慣にするのはなかなか難しいですが、できるだけ毎日継続して行いましょう。
ラジオ体操に限らず、どのような運動にもいえることですが、1回やっただけでは大きな効果は得られません。
継続して行うことで、ラジオ体操の効果が発揮されます。
ラジオ体操第一は、一回あたり3分ほど。隙間時間でもできる体操なので、毎日時間を見つけて実践することをおすすめします。
できる人は、1日1回ではなく、複数回行うのが理想的です。
呼吸を意識することでリラックス効果!
ラジオ体操では、動きに合わせて自然な呼吸を意識することが重要です。
深い呼吸を取り入れることでリラックス効果が得られる可能性が高まります。
体に負担の少ないリズミカルな運動をすることで、心のバランスを保つホルモン「セロトニン」の分泌が促されます。その結果、睡眠の質が上がり、疲労回復や精神の安定につながります。
肩甲骨を大きく動かしたり、体幹の筋肉を刺激したりする運動が多く盛り込まれているため、肩こりや腰痛の改善に役立ちます。
また、上体を回したり、ねじったりすることで内臓の働きが活性化し、便秘解消の効果も期待できます。
ラジオ体操を行うときの注意点
ラジオ体操は、国民の健康を目的に作られたものなので、誰でも取り組みやすい体操です。
ですが、注意点を理解せずに行うと、思わぬケガにつながってしまうかもしれません。
ラジオ体操は、次にあげる点に注意して行いましょう。
体調が悪いときには無理をしない
毎日継続して行うことは大切ですが、体調が悪いときには無理をしないようにしましょう。
ラジオ体操は運動である以上、少なからず体に負担がかかります。
体調が悪いときに無理をして行なうと、悪化してしまうかもしれません。
また、毎日続けなくては! と無理をしても、結局体調を崩して、翌日以降にできなくなっては元も子もありません。
そのため、体調がすぐれないときには無理をせずに休んで、体調回復に努めましょう。
安全で広いスペースで行う
ラジオ体操は手を大きく振ったり、足を広げたりする運動があるため、手足がぶつからないように広いスペースで行いましょう。
近くに人や物があると、ぶつかってケガをしてしまうかもしれません。
屋外、室内問わず、手を左右に広げても何も当たらないくらいに、十分なスペースを確保してから行います。
ラジオ体操を行う場所も重要です。
滑りやすい床や狭いスペースでは、安全に体操ができません。また、靴を履くことで足元の安定感が増します。
バランスに不安がある人は座って行う
体のバランスに不安がある人は、転倒を予防するために座って行いましょう。
高齢の人や筋力が少ない人などは、ラジオ体操中にバランスを崩して転倒してしまう可能性があります。
健康のためにラジオ体操をしているのに、ラジオ体操が原因でケガをしてしまったら本末転倒です。
ラジオ体操は立ってやるものだと思うかもしれませんが、イスに座った状態でも上半身を中心に体を動かすことができますし、それだけでも効果が期待できます。
バランスに不安がある人は、無理をせずに座って行いましょう。
正しいフォームを維持する
ラジオ体操は簡単そうに見えますが、正しいフォームを維持することが重要です。
不正確なフォームで行うと、効果が半減するだけでなく、怪我の原因にもなります。
特に、膝や腰に負担がかかる動作は注意が必要です。
ラジオ体操の効果は心身の健康だけではない
ラジオ体操に期待できるのは、体の健康だけではありません。他にも期待できる効果があります。
規則正しい生活が送れる
ラジオ体操を毎日決まった時間に行うことで、リズムが整い、規則正しい生活が送れるようになるでしょう。
例えば、毎朝ラジオ体操を行うようにすれば、決まった時間に起きる必要があります。
朝、その時間に起床するためには、前日の就寝時間も調整しなければなりません。
このようにラジオ体操を毎日の生活に取り入れるだけで、規則正しい生活が送れるようになるわけです。
また、朝にラジオ体操で全身の筋肉を動かせば、スッキリと目が覚めるでしょう。
地域の活性化

ラジオ体操は、地域の活性化にもつながります。
地域によっては、決まった時間にラジオ体操会を開催しており、誰でも参加できる場合があります。
地域の人と一緒にラジオ体操を行うことで、顔見知りの人が増えたり、コミュニケーションをしたりと、地域が活性化されるメリットもあるでしょう。
また、一緒に参加している人と約束をすることで、一人で行うよりもラジオ体操を楽しみながら習慣化することができます。
ラジオ体操のデメリット
ラジオ体操は多くのメリットがありますが、知っておきたいデメリットもあります。
特に継続しづらい部分は、自分なりに記録をつけたり仲間と一緒に運動したりと、続けられる環境づくりが必要です。
単調な動きにより飽きてしまう
ラジオ体操は毎日同じ動作を繰り返すため、単調に感じることがあります。
これが原因で続けることが難しくなる人もいます。
変化を持たせるために、他の運動と組み合わせることも一つの方法です。
全身を鍛えるには運動量が足りない
ラジオ体操は全身の筋肉を使うように設計されていますが、特定の筋肉群や関節に対する運動が不足する場合があります。
例えば、筋力トレーニングや柔軟体操などを補完することで、バランスの取れた運動が可能です。
効果が出にくい場合がある
ラジオ体操だけでは、十分な運動量や強度を確保できない場合があります。
特に、体力向上や筋力増強を目指す場合には、ラジオ体操だけでは不十分なこともあります。
目標に応じて、適切な運動を取り入れることが重要です。
ラジオ体操は手軽で効果的な健康維持の方法ですが、注意点とデメリットを理解して行うことが大切です。
正しいフォームを意識し、自分の体調に合わせて無理をしないこと、そして他の運動と組み合わせることで、より効果的に健康を維持することができます。
毎日の習慣にすることで、健康な生活を送る一助となるでしょう。
日常生活でのラジオ体操の取り入れ方
ラジオ体操は継続してこそ、さまざまな健康効果が期待できます。
毎日短時間ですが、早朝に行うものだからこそ続けたくても続かないと悩む人も少なくありません。
そこで日常的にラジオ体操を続けるために、試したい方法を解説します。
朝と夜のルーティンとしての活用
ラジオ体操を朝のルーティンに取り入れることで、一日の始まりを爽やかにすることができます。朝に体操を行うことで、身体が目覚め、活力が得られます。
また、朝の運動は代謝を促進し、エネルギーを活性化させるため、1日のパフォーマンス向上にもつながります。
たとえば、起床後にラジオ体操を行う習慣を持つことで、スムーズな朝のスタートを切ることができます。
【タイミング別の活用方法】
朝のラジオ体操で朝から活力をアップ
朝にラジオ体操を行うと、身体を目覚めさせる効果があります。血流が促進され、代謝が良くなるため、1日を元気にスタートできるでしょう。
夜のリフレッシュタイムに取り入れる工夫
夜に行うラジオ体操は、軽めの動きでリラックスするのがおすすめです。
筋肉をほぐし、日中の疲労を早めることで、心地よい睡眠へと導く効果が期待できる可能性が高まります。
仕事や家事の合間に取り入れる
ラジオ体操は、短時間で全身を動かせるため、仕事や家事の合間に取り入れるのも効果的です。
例えば、昼休みに軽く体操を行うことで、午後の集中力を高めることができます。
また、家事の合間に体操をすることで、長時間同じ姿勢でいることによる疲労を和らげることができます。
小休憩として取り入れることで、心身のリフレッシュを図ることができます。
ラジオ体操の習慣化のコツ
家族で取り組める楽しさがあるのは、ラジオ体操を習慣化するコツのひとつでしょう。
家族全員で一緒にラジオ体操を行うことで、楽しみながら継続するモチベーションが高まります。
また、親子や夫婦で一緒に行うことで、コミュニケーションの時間も増えるでしょう。
さらに、ラジオ体操は短時間で行えるため、忙しい日常でも取り入れやすいのが特徴です。
2〜3分の運動を毎日続けることで、体力の向上や健康維持に繋がるので、「短くでもやる!」ことを目標にするのが習慣化のコツです!
高齢者におすすめのラジオ体操

高齢者にとっても、ラジオ体操は継続しやすい運動です。その魅力とやり方のポイントを解説します。
転倒予防とバランス感覚の向上
高齢者にとって、ラジオ体操は転倒予防に非常に効果的です。
体操の中には、バランス感覚を養う動きが含まれており、これにより転倒のリスクを減らすことができます。
片足立ちやバランスを取る動作は、脚の筋力やバランス能力を向上させるのに役立ちます。
定期的に行うことで、身体の安定性が向上し、安全な日常生活が送れるようになります。
簡単にできる運動としてのメリット
ラジオ体操は、簡単で安全に行える運動です。
特別な器具や大きなスペースがなくてもできるため、高齢者でも無理なく取り組むことができます。
また、体操の動きは比較的緩やかで、関節に負担をかけることなく、筋肉の柔軟性や強さを維持できます。これにより、体力の維持や改善が期待できます。
子供にとってのラジオ体操の効果
未就学児、小学生など子どものうちから、ラジオ体操をすることは、将来につながる健康効果が期待できます。
成長期の運動が体力を向上させる
子供にとって、ラジオ体操は成長期の運動として非常に重要です。
体操を行うことで、筋肉や骨の発達を促し、体力を向上させることができます。
体操によって基礎体力を高めることで、日常生活や学校での活動においてもより元気で活動的な子供を育てることができます。
また、規則正しい運動習慣を身につけることで、健康的な生活習慣を形成する一助となります。
集中力と学習能力の向上
ラジオ体操は、集中力を高める効果もあります。
体操によって脳が活性化し、学習に対する集中力や記憶力が向上します。
特に、学校の授業前やテスト前に体操を行うことで、脳の働きを活発にし、学習効率を高めることができます。
また、体操を通じて自己管理や目標達成の意識を育むこともでき、学習面での成長につながります。
ラジオ体操は、幅広い年齢層に対応できる優れた運動プログラムであり、日常生活に取り入れることで多くの健康効果を享受することができます。
ラジオ体操第1、第2の正しいやり方とポイントはこれ!
そもそもラジオ体操第一と第二で目的が違う
ラジオ体操といえば、幼いころから馴染みのあるのは「ラジオ体操第一」の方ではないでしょうか。
これには理由があり、「ラジオ体操第一」は老若男女問わず「全身の筋肉や関節をバランスよく動かす」ことが目的であるためです。
筋トレや体力増強といった激しい運動ではなく、あくまで無理なく骨・関節・筋肉をまんべんなく刺激させる全身運動なのです。
一方「ラジオ体操第二」の方は打って変わって「体を鍛え筋肉を強化する」ことを目的とします。
1つ1つの動作がダイナミックでになり、身体の柔軟性を上げるだけでなく瞬発力や体力アップにも効果を期待できます。
ラジオ体操第1を構成する運動は、全部で13種類。
その順番や動きの1つひとつに意味があり、それぞれの運動のポイントを意識することで、より健康効果を高めることができます。
ラジオ体操第一

– ラジオ体操第一で期待できる効果 –
- 身体の外面の効果:姿勢矯正、肩コリ予防、首コリ予防、腰痛予防、転倒予防、柔軟性アップ
- 身体の内面の効果:血行促進、呼吸機能アップ、循環器の働き促進、内臓器官の働き促進、疲労回復、筋力アップ
- その他の効果:リフレッシュ効果、リズム感アップ
ラジオ体操第二

– ラジオ体操第二で期待できる効果 –
- 身体の外面の効果:脚の筋力アップ、姿勢矯正、肩コリ予防、首コリ予防、腰痛予防、転倒予防、柔軟性アップ
- 身体の内面の効果:血行促進、呼吸機能アップ、循環器の働き促進、内臓器官の働き促進、疲労回復、筋力アップ
- その他の効果:リフレッシュ効果、リズム感アップ
ラジオ体操第一・効果的なやり方
背伸びの運動
①息を吸いながら、腕を前から真上に向かって振り上げ、背中とおなかを伸ばす。
②息を吐きながら、腕を横からゆっくりと下ろす。①〜②を2回くり返す。

腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
①体の前で腕を交差させ、かかとをそろえて上げる。
②腕を横に振りながら、ひざを左右に開く。
③ひざを伸ばして腕を肩の高さまで上げ、腕を戻しながら一瞬かかとを下ろす。①〜③を繰り返す。

腕を回す運動
①腕を胸の前で交差させる。
②腕を外側に向かって回し、次に内側に向かって回す。これを4回繰り返す。
胸を反らす運動
①肩幅程度に左脚を横に出しながら、腕を肩の高さまで振り上げる。
②腕を振り下ろし、胸の前で交差させる。
③腕を斜め上に振り上げて手のひらを返し、胸をしっかり反らしたら、②の姿勢に戻る。①~③を4回繰り返す。

体を横に曲げる運動
脚を肩幅に開いたまま、右腕を真横から勢いよく振り上げ、上半身を左に2回曲げる。反対側も同様に行い、これを2 回くり返す。
体を前後に曲げる運動
①はずみをつけながら、体を前に3 回曲げる。
②一度体を起こしてから、両手を腰にあて、体をゆっくり後ろに反らせる。体を起こして、もう一度①~②を繰り返す。

体をねじる運動
①腕の力を抜いて、上体を左→右→左→右の順にねじる。
②両腕を左斜め上に大きく2回振り上げたら、一度上体を正面に戻す。左右逆にして①~②を繰り返す。

腕を上下に伸ばす運動
左脚を横に出して腕を曲げて指先で肩に触れ、両腕を真上に伸ばしてかかとを上げる。かかとを下ろしながら指先で肩に触れ、腕を下ろして左脚を閉じる。左右逆にして同様に行い、これを2回繰り返す。
体を斜め下に曲げ胸を反らす運動
①肩幅より広めに左脚を横に出し、弾みをつけて上体を左下に2回曲げる。
②上体を起こして正面に戻し、腕を斜め下に大きく開いて胸を反らせる。反対側も同様に行い、2回繰り返す。

体を回す運動
①両腕を右肩の高さに上げ、そこから円を描くように両腕を左方向へ振りながら、腰を中心に上体を大きく回す。
②1周半回して、腕が左肩の高さまできたら、逆方向に回す。これを2回繰り返す。

両脚で跳ぶ運動
①両脚をそろえて、4回跳ぶ。
②脚を開いて跳びながら腕を真横に開き、腕を下ろしながら足を閉じて跳ぶ。この「開く→閉じる」を2回行う。①~②を2回繰り返す。

腕を振って脚を曲げ伸ばす運動(4と同じ動き)
①体の前で腕を交差させ、かかとをそろえて上げる。
②腕を横に振りながら、ひざを左右に開く。
③ひざを伸ばして腕を肩の高さまで上げ、腕を戻しながら一瞬かかとを下ろす。①〜③を繰り返す。
深呼吸
指先を伸ばし、深呼吸を4回繰り返す。
ラジオ対応に取り組むときは、伸ばすところはしっかり伸ばす、力を入れるところは入れる、力を抜くところはきちんと脱力するなど、メリハリをつけて行うことが大事です。また、「どの筋肉を使っているか」を意識しながら行うと、効果が実感しやすいですよ。
ラジオ体操第1について紹介しましたが、ラジオ体操には第2もあります。ところで、この2つにどういう違いがあるか知っていますか? 実は、ラジオ体操第1は老若男女を対象に、姿勢の改善や疲労回復、美容にも効果があるように工夫されたもの。対するラジオ体操第2は、主に職場で働いている人を対象に考案されたプログラムで、より高度な動きで「疲れにくい体づくり」を目指しているのだとか。いわれてみれば、第2のほうがちょっとだけハードですよね。
本記事でラジオ体操第1に慣れ親しむことができたら、次はぜひ第2にもチャレンジしてみてください。久々にやってみると、あの「独特の動き」がくせになるかもしれませんよ。
ラジオ体操第二・効果的なやり方
全身をゆする運動
全身をゆすりほぐし体操を行う準備を整える
コツ:足首、膝をやわらかく動かし軽くゆすりましょう

腕と脚を曲げ伸ばす運動
躍動的な動きで全身の血行を促す
コツ:脚の曲げ伸ばしは、かかとを上げたまま行いましょう

腕を前から開き回す運動
肩まわりの筋肉をほぐし柔軟性を高める
コツ:肘をしっかりと伸ばして、腕は大きく動かしましょう

胸を反らす運動
正しい姿勢をつくり呼吸器官の働きを促進
コツ:深い呼吸に合わせて、腕はゆっくりと大きく動かしましょう

体を横に曲げる運動
固くなりがちな脇腹の筋肉を柔軟にする
コツ:脇の下にあてた手を支点にし、真横にリズムよく曲げましょう

体を前後に曲げる運動
背・腹部の柔軟性を高め腰への負担を軽くする
コツ:前屈は脚の間から後ろを見るように、後屈は肘を伸ばして行いましょう

体をねじる運動
背骨の動きを柔軟にし良い姿勢をつくる
コツ:腕の勢いにつられて、下半身が動かないように

片脚跳びとかけ足・足踏み運動
脚の筋力・瞬発力を高める
コツ:肩の力を抜いて、リズムよく、軽快に運動しましょう

体をねじり反らせて斜め下に曲げる運動
ダイナミックな動きで胴体全体をほぐす
コツ:動きを止めず、滑らかに運動しましょう

体を倒す運動
背筋を強化し良い姿勢をつくる
コツ:背中が丸くならないよう、視線は前方に

両脚で跳ぶ運動
全身の血行を促し循環器の働きを高める
コツ:3拍子のリズムに合わせて軽快に行いましょう

腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
整理運動の役割として呼吸をととのえる
コツ:肩や腕の力を抜き、腕を前と横へ自然に振りましょう

深呼吸
体をゆっくりと平常の状態に戻す
コツ:手の平は無理に返さず、深い呼吸に合わせて、自然に動かしましょう

ラジオ体操のQ&A
さまざまな健康効果やメリットのあるラジオ体操。最後に、ラジオ体操に関する素朴な疑問に答えていきます。
ラジオ体操は夜にやっても良い?
ラジオ体操は夜にやってもOKです。
ただし、就寝する2時間前よりも後にやるのは、おすすめしません。
就寝する直前に運動をすると体温が上昇してしまい、体が睡眠に適した状態ではなくなってしまいます。
すると、入眠までの時間が伸びたり、睡眠時間が短くなったりと悪影響があります。
一方で、就寝の2時間前に運動を終わらせておくと、睡眠に良い影響があるといわれています。
夜にラジオ体操をする場合は、就寝まで2時間以上の時間が空けられるように行いましょう。
ラジオ体操はどこでできる?
ラジオ体操は、アプリで音楽をダウンロードすることができ、スマホさえあれば流すことができるため、環境が整えばどこでもできます。
地域によってはラジオ体操会を開催しているので、参加してみるのもおすすめです。
また、毎日6時30分からNHKでラジオ体操のテレビ放送があるので、タイミングを合わせて朝起きるのもいいでしょう。
ラジオ体操は、室内でも外でも、どちらで行ってもかまいません。続けやすい場所で、できるだけ継続して行いましょう。
いつやるのが効果的?
「ラジオ体操を行うと全身に血液が巡り、体や脳を目覚めさせる効果があるので、朝に行うのが最もおすすめです。
ちなみに、仕事の合間に行うと気分がリフレッシュして、集中力もアップするそうです。
呼吸は意識したほうがいい?
なじみのある体操とはいえ、最初は体を動かすだけで大変なはず。
慣れないうちは自然な呼吸で、正しい動きで行うことに集中しましょう。
「慣れてきたら、伸びたり、胸を開いたりするときは『吸う』、力をゆるめるときや、胸を閉じるときは『吐く』ことを意識すると、運動効果がさらにアップします」
音楽は絶対に必要?
ラジオ体操の音楽は動きに合わせて構成されていて、音を聞くことで次の動きがわかるように作曲されています。
ペースにもきちんと配慮されているので、慣れるまではきちんと音楽をかけて、それに合わせて行いましょう。
ラジオ体操の音源は、番組を録音したり、市販のCDや音楽配信サービスを利用したりすることで入手できます。
ただし、録音した音源の使用は、個人利用のみに限られるのでご注意を。
まとめ
ラジオ体操は、さまざまな効果が期待できる全身運動です。
体の健康はもちろん、心の健康や生活習慣の改善にも効果的です。
道具要らずでたった3分の中に、腕・脚・胸・腰・腹・背中の全身を効率よくほぐせるラジオ体操。
短時間ながら、その日の自分の体調と向き合える貴重な時間です。
ラジオ体操を続けると、体力の向上や肩こり、腰痛といった不調の改善にもつながります。
運動が健康に良いとわかっていても、ジョギングやジムで運動するのは、なかなか難しいという人もいるかもしれません。
そんな人もラジオ体操であれば、自宅でも簡単にできるのでおすすめです。
何をやっても運動が続かない人こそ、ラジオ体操を日々の健康習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様のご健幸をお祈りしております。